生きる(仮)

DIE FROM LOVE

山田さんに会いに行く(そして、野球を見に行く)

今年初の現地観戦は3月頭の東京ドームでした 3月頭からプロ野球が見られるなんてすごいことだ
いや冗談めかして言っているが 昨シーズンのことがあったから冬の寒い時期から試合が見られることに心から感動していた 去年の3月頭ってオープン戦の無観客開催が決まって泣いていたころじゃん
そしてそれと同時に 敵はコロナだけだと無意識下で思いこんでいたためか
「コロナを乗り越えた(まったく乗り越えていないですが……)選手オタクに怖いもんなしじゃい」という「無敵のオタク」モードになり この日は山田さんに会えるものだと信じて疑わない状態になってしまっていた(ここがフラグ)




いなかったし、スタメンじゃありませんでした……(ここでフラグ回収)



去年も山田さんがいない試合はあったのに なぜかこの日にあらためて「山田さんがいないとどこを見ていいかわからないな」ということに気がついた
試合に見どころがないという意味ではまったくなく むしろこの日はわかりやすい見どころもあったが(読売ジャイアンツ廣岡大志くんお披露目とか…………)
山田さんがいないと焦点が合わない どこを中心に試合を見ていいかわからないし
なによりむちゃくちゃにさみしかった 会えると決めつけて来てしまったからなおさらもう死ぬほどさみしかった



唯一チケットを取っていた神宮のオープン戦が雨天中止になったこともあり 結局今年初めて山田さんに会えたのはシーズン開幕の1週間前 メットライフドームでの試合だった
さみしさを引きずりもどかしさも混じってよくわからんことになっていたので ドームに入って山田さんらしき背中が目に入ったときにはほんとうに安心して 膝とか肩とかいろんなところの力が抜けてしまった
やっと山田さんを堪能できる……とよろこびを噛み締め涙を流しながらシャッターを下ろしまくるあの時間は心から幸せだったな

まあ……

2回から交代したんですけどね………………

東京ドームのときもこのときも なんなら現在進行系で山田さんはあまりコンディションがよろしくない それなら仕方ないほんとうに仕方ないし無理してでも試合に出ろなんて1ミクロンも思っちゃいないが
わたしが現地に行った以外のオープン戦では普通に試合中盤まで出場してホームランを打ったりもあったため あまりのタイミングの合わなさに途方に暮れてしまった
メットライフドームでは拗ねてその後ずっとピザを食べていた

ずっと好きでいたらこういうときもある よくわかっております
そして今年から 何事もなければ7年間は東京ヤクルトスワローズの山田さんを見ていられるはずなので 7年間のうち奇跡的にタイミングが合いまくるときもあるだろう そう思うといくらか気分が楽になる部分もありつつ
こういうことを考えると同時に でも何事かあったらどうするんだ お互いいつ死ぬかわからないのに……という感情も忍び寄ってくる
人生に永遠も絶対もない いまこの瞬間にこの目で山田さんを見たいんだよな

なんというかあらためて言うまでもなく わたしは山田さんのことが好きで 山田さんに会うために球場に行っているんだと その事実が強固になった今年のオープン戦だった
実際に試合についてはディティールまでよく覚えていなかったりする(大志は三振していた)



球場は野球を見るための場所です 当たり前ですね
わたしも野球のために球場に行くことがある 都市対抗野球とかも多少見たりするし でもシーズン中にヤクルトの試合に行くときは「野球」よりも「山田さん」を見に行っている側面がでかい
インターネットでは自己紹介代わりに「野球よりも山田さんが好き」と言っているがそれはほんとうにそう 野球と山田さんが川で溺れていたら迷わず山田さんを助けるし
山田さんが野球つらいと思うならいつでも辞めていいんだよそんなもんと常に思っている

これ関連の話で言うと2019年は シーズンそのもののことはしんどすぎて断片的にしか覚えていなかったりするが この年の自分の野球に対する感情はめちゃくちゃ印象的だ
なんかこの記事の回顧もずっとしている気がするが

怪我は完治したのだろうか まだ痛そうにしているというツイートも見かけるが 調子はどうなんだろう 3試合連発のあとにまた死球だったもんな
考えれば考えるほど世界まるごと恨めそうなくらいいろんなことが憎いな


ほんとうは4月の下旬の中日戦で死球を受けたあたりから なんならその前からこんな調子で 山田さんが好きすぎるあまり憎いものがどんどん増えていって ここには書けないちょっとやばい感じだった 感情が

君の心は君だけの物/雑記 - 生きる(仮)


本気で「山田さんを苦しめる要因となるすべてが憎い」というすごいシーズンだった その要因のなかに野球も含まれていて 野球さえなければと心底思っていた
いやだからこの年のオフに山田さんが世界一を決めるホームランを打ってくれてほんとうによかったよ あれのおかげで随分と野球に対する恨みも解けたというところがある……



思えば野球を真剣に見るようになったきっかけも山田さんだし 自分のなかのプライオリティー的にはそうなってもおかしくないのだ そういうこともありいつしか「野球よりも山田さんが好き」ということになんの疑問も持たなくなっていったが
いざシーズンが始まったいま なぜか「野球ってもしかして……面白いのでは!?」と思えている

具体的にどこと訊かれると困るが シーズンが始まって3試合を現地で見て それ以外もわりとちゃんと中継を見られている気がする(在宅勤務、ありがとう……)
そこで勝っても負けても 山田さんが打っても打たなくても 感情の浮きはあっても沈みはさほどなく 沈みそうなところは野球の面白さにすくわれているという感覚がある
もしかするとヤクルトちゃんが面白い試合をやってくれているというだけの話かもしれない そりゃ9回打ち切りなのに4時間半も時間かけて11-11のドローでフィニッシュするような球団だもん 面白いよ
ただ球団の特質云々より前段階の 野球そのものの面白さみたいなところも確実に…………感じている



正直そうならなくても別にいいんだよな
その段階を乗り越えたからこそ言えることだし 当時はまじのまじでつらくて毎日血反吐吐きそうな思いだったのでこんなことを軽々しく言うとその段階の自分にブチ殺されるかもしれんが 2019年の「山田さん以外全部憎い」もそれはそれでよかった ずっとそうでもよかったと思う
なんというか山田さん ほんとうにすごい人だといまでもしみじみ思うことがある 何度も言うように人生に絶対も永遠もないので今後なにが起こるかはわからんが 人生でこれ以上の人間に出会う可能性低いんじゃないかな
だからこそ山田さん以外の森羅万象が憎くてもそれはそれで幸せだったと思う 山田さんさえいれば……

でも「野球憎し」で切り捨ててしまう情報のなかにはとんでもなく面白いものも含まれていたりする
そのことを思うとやっぱりもったいないよな わたしは面白いことが好きなので面白さを取り逃してしまうことがいちばん最悪です
こんなに面白いコンテンツのなかにいる人間を愛していて コンテンツそのものの面白さを取り逃してしまうことしたくないな



とはいえ山田さんと会えることは野球の面白さとは別次元の最高の幸福だったりする シーズン始まってやっとタイミングが合ってくれてよりいっそう実感しております
なにせ山田さんかっこいいんだ……あのスマートさからあのフルスイング 露骨なスイッチのオンオフからくるギャップ あとキャプテンになって後輩選手への態度も随分と変わったし 前までは集まる確率低めだったピンチ時のマウンドも今年は率先して向かっているように見える そのたびにこんな尊い成長が見られるなんて……と子どもの運動会でビデオカメラを回す親の心境になっています
いやそれはいいんだけど(よくないが) こうして「野球は面白い」「山田さんが好き」のふたつをなんとか両立しながら シーズン終盤まで駆け抜けていけないかな……と思っているところです
幸せのレイヤーは、多ければ多いほどいい……

特にこのあいだの燕プロ第1戦 今季の神宮初勝利を現地で見てそのことを強く思ったのだけれど その舌の根も乾かぬうちにきのう山田さんのタイムリーエラーで強いショックを受けて さっそく「野球憎し!涙」になってしまった 打たれ弱すぎる
そういえば2019年もシーズン開幕当初は平穏だった覚えがある え?怖くなってきたな……

まあまたスーパー推し以外ルサンチマンオタクになってしまったらそのときはそのときだし この記事を読み返して「生ぬるいこと言ってんじゃねえよ」と暴れ散らかそうと思う
ただどうなっても球場に行こう 山田さんに会いにあるいは野球を見に あるいはその両方のために
社会情勢が許す限りはね……