生きる(仮)

DIE FROM LOVE

山田さんに会いに行く

■神様(かもしれない人間)と対峙すること

山田さんと出会って2年と8ヶ月です(学生カップル?)
いまだに自分は山田さんのファンなのかヤクルトちゃんのファンなのかわからなくなるときもあるが なんだかんだヤクルトちゃんの選手やチームそのものも応援しつつここまで来た いままで続いていることに自分でも驚きがある

お察しのとおり山田さんのことは大好きである その存在を知るまでわたしももうハタチだし新しくだれかにドハマりすることもないだろうな~などと言っていたのにこのザマだよ
それでもこの2年と8ヶ月 大声でファンで~す!!!と公言できなかったのは わたしが在宅オタクに甘えていたからにほかならない
他のファンにそれを強制するつもりはさらさらなくとも 自分に対しては現地に行かないといつまでもいっぱしのファンにはなれないぞという思いがあった
そこまで自分を追い詰めておいてじゃあなんで行かなかったかって怖いからだよね

それ以前に距離の遠さがあるが わたしはフットワークのリミッターが壊れているのでその問題はあってないようなもの
まあ~怖かった いままでスポーツ観戦をしたことがないから現地での身の振り方がわからなくて怖い そのようにアウェイな場にひとりで行くのも怖い(友だちがいません)
そして神様に素手でベタベタ触るのが 怖い
などと言い訳がましいことを言いながら自宅観戦ライフをエンジョイするうちに今度は 家で見るものと実際に見るものが乖離していたら怖いと言うようになった
中学生でアリプロのライブにひとり参戦した人間がなにをためらうことがあるのかという話であるが 考えてみれば初動が悪かった あれこれ考えてしまう前に動けばよかったのに
などと言っていてもいまさら仕方がないのでやめる

ただこのままずっと在宅でいるつもりもなく
時が経つにつれ いつか現地に行かないとな~という義務感よりは いつか行くんだろうなという予感がじわじわわいてきた
3年前のシーズン後 民生のライブを見にマツダスタジアムへ赴いたとき既に コンコースから出てグラウンドを眺めながら いつか山田さんのユニフォームを着てここに来るんだろうなとボンヤリ考えたものの
イメージは時間を追うごとに鮮明になっていった 不思議なことだ
家で試合を見てインターネットでグッズを買うだけの生活に無意識下で限界を感じていたんだと思う それだと金を落としづらいというのもあるし 楽しいしんどいかっこいいつらいなどを狭いところに閉じこめたままにしておくのもキツいものがあったんだよな

現地へ行ったあかつきには森羅万象のなかでいちばん特別な山田さんのホームランを見てやるぞ そういう確固たる思いは 予感でもあり覚悟でもあり決意でもあった それも不思議な感じだ

そして2年と8ヶ月
ほんとうにいろんなことがあった それでもここへ来ることができた
そう オープン戦が開幕した先日



阪神甲子園球場を訪れました
いや違うでしょ 違うと思う でも甲子園は実家からいちばん近い球場だし(交通の便で言うと京セラのほうが行きやすい説) ちょうどヤクルトちゃんが来てくれるというから 関東へ越す前に一度は行っておきたいと思って……
そして初めてでひとりはやっぱり怖いのでうさぎんにも来てもらった 阪神ファンなのに3塁側 まじで申し訳ねえ しかも男の子との約束を延期してまで まじで

その試合も最初からよっしゃ見に行ったろと意気込んでいたわけではなく オープン戦の日程が発表されたときは えっもしかして甲子園に行けばいいのでは……ええ~でもどうしよ……とこの期に及んで迷っていたものだけれど
キャンプでの練習試合を配信で見てハア~オープン戦行こ!!!!!!!となった
この目で見ないとわからないことって確実にあるからね……

とはいえ吐きそうだった できるだけ近くでという思いから内野席を選んだのはわたし自身なのに 球場に入る前から涙目で無理を連呼する機械と化し完全にうさぎんを困らせていた
スタンドへ出た瞬間も呻き声を上げたものだけれどそこにヤクルトの選手はいなかった(阪神さんの練習時間だったため)
しばらくのち よく晴れた空の下へワラワラと出てきたビジユニ集団のなかに 背番号1の背中を見つけたとき
なにを言ったかよく覚えていない 2.8次元が3次元に……とかスチャラカなことを言っていたかもしれない
ただいま思えば乖離もクソもなかったな……と
山田さんほんとうにわたしの知っている山田さんそのものだった いや当たり前だが 打席に立つ姿も守備につく姿も画面越しに見る山田さんと寸分の変わりもなく 世界でいちばんかっこよかった そこがいちばん怖かった部分だから少し安心したよ
あれ?と思ってしまったら最後 わたしの2年8ヶ月間とは……という話になるので

さて結果から言うとこの日はメチャメチャにいい試合だった ヤクルトちゃんは強い球団のような勝ち方をしていたし
純粋に楽しめたのがなによりよかった 平日で観客がそこまで多くなかったこともありうさぎんがいてくれたこともあり いろいろ気にする必要もなかった
生で見る野球は中継と違ってわかりにくいところも多々あるものの(リクエスト まじでなにごとかと思った) これはこれで楽しいなと思ったのだった
あとメシがうまいし試合後にちなヤクとハイタッチしてゲラゲラ笑う瞬間が最高だった

前日の試合に出場せずわたしを死ぬほど焦らせた山田さんもこの日は1番セカンドで先発出場 つまりわたしが初めて生で見た打席は山田さんのそれということになる
その第1打席は空振り三振だったものの 山田さんが打席に立っている目の前で立っているという事実が スイングひとつすら尊く見せてくれたことは言うまでもなく
その後は犠打・安打・四球というバラエティーに富んだ打席内容で わたしのために♡ ありがとう♡♡ともはやストーカーじみた狂言をしながら球場をあとにした
日によって様子がクルクル変わる選手だからまったく打たない可能性も加味していたしそれでもいいと思って行ったんだけどね ヒットが出たときは素直にうれしかったよ あとランナー3塁の場面でしっかり距離のあるフライを打つあたりがかっこよすぎて?????無理になった
恵まれているな~わたしは……と感じた……

この日はうさぎんとオタクにとって推しは神様なのでは?という話をしながら帰った まさにそのとおりである でも山田さんは人間なんだよね
去年は特にそれを実感した というか去年ようやく山田さんも人間であることを理解できた気がする
人間だから弱い部分もあるし発言に一貫性がないこともあるし喜怒哀楽もあるし わたしの世界は山田さんで変わったけど 山田さんは世界を変えられないんだよね 当然のことでもサイコパスにとってはこの理解のハードルが高いんだよ
人間だからこそ……ちゃんと応援しないとな~と思わされたのが去年のシーズンであり 今年のオープン戦だった
ひとつの球団をひとりの選手を応援するのはしんどいから いつでもやめられるようにしておこうなどと思っていたわたしが 去年のハチャメチャシーズンを見てもなお試合を見に行こうと思えたのはそれが大きい
わたしひとりの応援でどうこうできる問題などないが 遠くから見ているだけで始まることもなにひとつとして存在しない

「いいときも、悪いときも、最後まで全力で応援してくださるファンの方に感謝しています。この感謝の気持ちを忘れずに明日も全力でプレーをしたいと思いますので、応援よろしくお願いします」


これは去年の6月17日の日ハム戦において先制の3ランホームランを放った山田さんがお立ち台で語ったことです(早口)
いまこの言葉を思い出すとやっぱり少しでも近くで応援しないとなと思わされる
素手で触れるのはやっぱり怖いけど 好きな人間のためにできることをしたい 陳腐だな~陳腐になるくらい当然の心理なんだよなきっと

話は3月14日のオープン戦に戻って この日は試合途中で交代となった山田さん しかしその後イニング間のキャッチボールのためにベンチから出てきたのだった
前述のように3塁側に座っていた当方 あまりの距離の近さに硬直 うさぎんが「前のほう行ってきたら?」と言ってくれたにもかかわらずとてもとても動ける状態になかった
突然のことにスマホも取り出せず見かねたうさぎんが代わりに写真を撮ってくれた 介護だよこれはもう



やっぱり数年前と比べると格段にガッシリとして それでも野球選手にしては華奢な わたしのよく知る世界でいちばんかっこよくて大好きな山田さんの背中だ
今度はちゃんと見たいよ近くで やっとそう思えた



■神宮のレフトポール下にはオタクの死体が埋まっている

つ~わけでその3日後には神宮球場にいた



今年から発売となった選手プロデュースグルメのひとつ・山田プリンである
わりといろんなところでプリン好きを公言している山田さん かつてのとあるインタビューではコンビニの牛乳プリンをイチオシしており それが放映された翌日にわたしは山田さんが言っていたと思しきプリンを探して買ったんだった
それをきっかけにして プリンを食べるたびに写真を撮ってはインスタグラムに #推しの好物 というタグをつけてアップするようになった
メチャクチャしょうもないけど好きという感情を発散するためにはそういったしょうもないことをするほかないんだよな 家に閉じこもっていると……

そのようなしょうもない所業を続けてきたこともありわたしは山田プリンの発売を心底楽しみにしていた 球場に到着するなり1日50食限定のそのプリンをゲットするため該当の店舗までまっしぐら 無事買えると菩薩の笑みでコンコースを出た
プリンを手にスタンドから ピカピカ輝くグラウンドを見た瞬間
わたしが家でちまちまプリンを食べているあいだにも山田さんはずっとここで戦ってきたんだと実感して 涙が出てきた
山田プリンは最初に食べた牛乳プリンと同じく鬼のように甘かった

それで何故そのような謎日程で現地にいたのかというと まず今月中に一度は新居へ行ってもろもろ手筈を整えるつもりでいた その日程を決めるにあたり頭に浮かんだのが神宮でのオープン戦のこと いろいろ考えたあげく一応時期をかぶせることに決めたのが3月の頭ごろだったか
つまりそもそもぜったい神宮へ行くぞという決意をしていたわけではなく すべてが「一応」という感じだったのだ
案の定ギリギリまで悩んだ 行くとしたら17日しかなかったにもかかわらず まじで16日の晩まで悩んでいた
えっだって怖いじゃん……さすがにもう過呼吸を起こしたりはないと思うけど……でも怖いよ……だって神宮だよ……ビジターとはわけが違うよ……しかもひとりだよ……休日だし人が多そうだよ……怖いよ(以下ループ)

そうしたグズグズのなかで

・いま行かなかったら一生行かない気がするから
・結局行かないで山田さんがホームランを打ったら一生後悔しそうだから

あと

・山田プリンを食べたいから

そして

・藤井ちゃんの坊主姿が見られるのはいまだけだから

これら4つの理由のもとに決意が固まった
わたしが藤井ちゃんの坊主にどれだけ衝撃を受けたかがよくわかる

そうなるとあとは迷わなかった 道には迷いかけたがな(ガハハ)
それでも神宮が近づいてくるのがわかると自然と歩みを速めてしまった ほんとうはわたしはもうずっと神宮に行きたかったんだと思う

そして神宮球場内野1塁側スタンドである す~ごい混みっぷり オープン戦とは?というほどに しかし同じ宗派の人間に囲まれるというのも悪くはないな……と思いつつ菩薩の笑みでプリンを食べた
あとひとりでもぜんぜん大丈夫だったわもともと人生の基本がひとり行動だしな ウケる……

この日の山田さんは3番で先発出場
練習の際にベンチから出てきたその背中を見て あ~また会えた……と
あとはやっぱり生きているな~とかきょうはホームユニだな~とか当たり前のことばかり考えていた
甲子園からの3日間 エモーショナルが高まりすぎて気を緩めると半泣きになるような日々を過ごしていたものの 山田さんの姿を見たとたんなんだか安心して一気に肩の力が抜けた
先に言っておくといまはなんの支障もなく日常生活を送ることができています(そうですか)

1回の表に中田翔さんがホームランを打ち 甲子園では見ることが叶わなかった人生初の生ホームランがまさか翔さんのものになるとは……と白目を剥きながら迎えたその裏 山田さんの打席
前後のことはあまり記憶にない 山田さんが打ったのは3球目だったはず 最初はファールだとばかり思っていたその打球はしかしとんでもなく美しい弧を描いており
山田さんの打球だ と思った
気がつくとビジョンには「HOMERUN」の文字が映し出され球場は沸き立ち傘が踊り山田さんはダイヤモンドをゆっくりと回りわたしは泣いていた
その打球はレフトポールに直撃していたことを後に知る

あとあれだ 今年の目標 達成させたい ヤマダテツトのホームランを生で見たい……


そうやってブログに書いたのが2016年5月のこと
山田さんはある意味難しい選手で ヒットを量産する能力もあれば盗塁だってメチャクチャうまい もっとヒットを打てと言う人間もいればもっと走れと言う人間もいる その気持ちもよくわかる
しかしわたしはなんと言ってもホームランを打ってほしい 好きになったきっかけなんてもう覚えちゃいないがホームランにひとめぼれしたということにしている それだけ山田さんのホームランが特別だから 例えば日シリ例えばWBCと山田さんにまつわる思い出もホームラン関連のものが多いし
だから2年越しに「今年の目標」を達成できたこと 言うまでもなくうれしかったし 生きていてよかったきょうこの日にこの場所へ来られてよかったと しんどくてもつらくてもずっと好きでいられてよかった 好きになってよかったと 心から思ったものの
同時に思ったのがこれをこれからもっと見ることになるんだろうなということ

山田さんは4年連続20本塁打の選手である あれだけ不調不調と言われた去年ですら24本打っている 今年も怪我さえなければ……この人のホームランを見られる確率は高いと思う 特に神宮ではね
つまりこれからも球場に 特に神宮に来るのであれば!わたしはきっと何本も山田さんのホームランを見ることになるはずだ
きっとそうなるんだろうという予感があった また予感だよ 結局非論理的なものにばかり突き動かされて生きている

ただずっと言っているように今後どうなるかなんてわからないんだよね いまは久々の 具体的に言うと中学時代に足しげく通っていたbaseよしもと以来の「恒常的な本現場」を手に入れたなという気分になっているものの
baseよしもとはわたしの高校進学と同時期に閉館した じゃあ閉館せずにずっと残っていたらわたしもずっと通っていたかというと それはないと断言できる 当方も人間なので興味の移り変わりがあります
だから実際 今後どれだけ神宮に来られるか どれだけ山田さんのホームランを見られるか さっぱりわからないし ずっとここにいる!ずっとここで山田さんを見守っている!と言ってしまうのはかな~り浅はか
でもいまは少なくともいまは またすぐにでも何度でも行きたいという気持ちでいる きょうもダゾ~ンで試合を見ていてやっぱり現地に行きてえなと思わされたし
それだけの人に出会えた それだけの経験を得られただけでもよかったんだよねきっと 長い目で見てもね

球場一帯に鳴り響く応援歌 ライトスタンドへ向かって一礼する山田さん
この景色はできれば忘れないでいたいし 何度も繰り返し見れば見るほど忘れられなくなるんだろうなと思った

またしてもいろいろすっとばして結果から言うこの日もほんとうに素晴らしい試合になった 同じゼミの日ハムファンにうらやましがられるほどに
とにかく廣岡くんが半端なかったし 個人的には川端さんの元気な姿が見られたそのうれしさが天元突破していた あと藤井ちゃんが坊主だった
初めて神宮で見る試合の先発が石川さんというのもありがたかったな~!!しかも第2先発がブキャ様……レアードさんのグラスラで気を失いかけたが
少し肌寒く冷え性の山田さんのことが心配にもなりつつ それにしてもよく晴れていた その空の下で何度も傘の海がゆれるさまはあまりにも
幸せだった……幸せの権化だったな~!!!!!

ほんとうにこんな幸せがあって いままでなにを怖がる必要があったんだろうとも思った あのとき動かなかったことで失ったものがたくさんあると思う
でも家のなかでひとりもがき苦しみ嘆きはしゃいで泣いて泣いてたまに笑って情緒不安定を極めていたあの時期も あれはあれで必要だったのかもしれない 根拠は特にないが あの時期があったおかげでいまが余計尊く思えるのも確か
これからたくさんのものを得ていけばもう後悔することもないと思う

なんにせよこの記事をもってしてこれまでの2年8ヶ月間のことはもういいかなと思っている もちろん忘れることもないだろうが わたしは山田さんとヤクルトちゃんの新規ファン スタートラインはいまここ そういうことで


行かなくちゃ何度だって
胸が踊るよ
おもちゃ箱ひっくり返した未来
いけないの? 引きずっちゃ
忘れないストーリー
ずっともうずっと
失くしたアレ取り返そう


勝利の帰り道 信濃町へ向かうため通りがかったクラブハウス前 ちょっと選手に会ってみようと思った
人生初出待ちですわ……出待ちオタクだらけのbaseよしもとですらやったことがなかった……チケットの手売りすら利用したことがなかった……
手も脚も震えていたし口もカラカラだったあとかなり寒かったけど待った できるだけ待った 一度この距離で山田さんを見届けたいと思った
しかしこの日はよりにもよって試合後に打撃練習があったということで山田さんには会えぬままタイムリミットを迎え……オイオイオ~イ!!!!!!!!
いまこのノリでお疲れさまでしたのひとことくらいは言いたかったのに~!!と涙を飲みつつ神宮をあとにした 無駄になるキモ・オタクの勇気 お前にはまだ早いというお告げだろうか
まあでもだから……また来ますよ わたしはヤクルトファンなので……

しかし4・5・23・65あたりは拝めた うれしい 川端さんスゲ~でかいし顔がよかったな